移住者インタビュー【2016年9月】~家族が安心して食べられるパンを作りたい~
[2021年6月4日]
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私も妻も関東の出身で、移住前は二人で東京に住んでいました。その頃、私はパンの製造会社に勤めており、妻は服飾関係の仕事をしていました。
妻が妊娠して、自然の豊かなところで子育てをしたいと地方への移住を考えました。二人とも特にアウトドアスポーツをするわけではないのですが、海か山だったら、山がいいなとなんとなく思っていました。
妻の友人が松本市に住んでいて、何度も松本を訪れていたこともあり、2004年に松本へ移住しました。
松本市の島内という地区に部屋を借りて住みました。島内というところは、近くに田んぼがあったり、東京に比べると自然を身近に感じられる場所でした。仕事は、松本市内のパン製造会社に転職しました。
松本での生活も気に入ってはいましたが、もっと自然に近い環境に住みたいという思いと、いつかは自分のお店を持ちたいとも考えていたので、安曇野周辺でお店を開けるような物件を新聞広告やインターネットでチェックしていました。
ある時、家族で池田町のクラフトパークへ遊びに行った帰りに今の物件が売りに出ているのをたまたま見つけて、すぐに売り主に問い合わせてほぼ即決で購入しました。
池田町の自宅から松本の会社まで半年ほど通いましたが、自宅でお店を開こうと会社を退職しました。家の敷地内に自分でレンガを積んで石窯を作り、住居の一部をお店用に改装して、2009年にパン屋「bunga‐ぶんが‐」を始めました。
池田町での生活については、私も妻も以前、青年海外協力隊でインドネシアに赴任していたこともあってか、新しい環境に順応するのはそれほど大変だとは感じませんでした。
また、たまたまお隣に住んでいる家族にうちと同じくらいの歳の子供がいて、その家族がいろいろと親切にしてくれました。子どもがいるとそこからつながりができ、地域に馴染みやすいです。うちの場合は、お店をやっているのでそこからのつながりもできました。
これといって苦労したことはありませんが、東京にいた頃はペーパードライバーだったので、運転に慣れるには少し時間がかかりました。ここで暮らすには車は必要ですからね。
店名の「bunga」とはインドネシア語で“花”の意味です。
開店時から自然酵母を使ったパンを作っています。自然酵母にこだわったのは、自然で安心なものを食べたいとの妻の要望があったからです。うちの家族も毎日自家製のパンを食べていて、健康に過ごしていますよ。
お客さんは観光客が多いですが、地元の方も来てくれます。冬はこの辺りはオフシーズンということもあり、ここ数年はメリハリをつけて休業させていただいています。
いまは妻の父親が松川村に住んでいる関係で、数年前にそちらへ越して同居していますが、今後もお店は続けていくつもりです。すくなくとも娘たちが巣立つまでは頑張りたいですね。
実際に住んでみないと分からないことも多いと思います。
いきなり家を購入するのではなく、まずは家を借りて住んでみると良いかもしれません。
移住を考えているお客さんも時々お店にいらっしゃいます。こちらでの生活を聞かれて、あまりアドバイスというアドバイスはできませんが、住むにはとても良い環境ですよと話します。
まずは、実際に足を運んでみると良いと思います。冬の寒さも体験してみてください。
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