池田町税財政シミュレーション

はじめに

長引く景気の低迷等で、国・地方とも税収不足になっており、国でも地方への補助金の縮減、削減や地方交付税の見直しを検討しています。そのため池田町では、今後のまちづくりや重点化を図る施策及び将来の歳入構造等を勘案し、税財政の将来推計を行い、将来の財政需要への対応等を検討するための基礎資料としてシミュレーションを行いました。

 

 現在国が地方に対して行おうとしている内容と現在の国税、地方交付税の概要を説明します。

三位一体の改革とは

国においては、地方分権への移行するにあたり、国と地方にかかる経済財政運営と構造改革が検討されております。その基本方針として、国庫補助金負担金、交付税、税源移譲を含む税源配分のあり方を三位一体で検討するとしています。

@ 国庫補助負担金の廃止・縮減‥‥‥‥‥‥地方歳出に対する国の関与を廃止・縮減

A 税源移譲を含む税財源配分の見直し‥‥‥地方税中心の歳入体系を構築するために、国から地方への税源移譲等により国税:地方税=1:1を実現する

B 地方交付税の改革‥‥‥交付税総額の見直し、交付税に依存しない団体の増、地方財政計画の抑制

 

現在の国と地方の税源配分は

平成12年度の実績を見ると、国民から納められた税金総額は88.3兆円です。その内訳は、国税が52.8兆円、地方税が35.5兆円となっています。(図−1)

国と地方の比率は、おおむね3:2となっています。

国税のうち一定部分は、地方交付税のように法律で定めるところにより地方の収入とされていますので、国から地方に配分した後では、国36.8兆円、地方51.5兆円で、その比率は42:58となっています。

この収入をもとに事業を行うことによる国民へのサービス支出額(図−2)の国と地方の比率は、おおむね2:3となっています。

最終支出の財源の中には、税収入のほかに国債(国の借金)や地方債(地方の借金)が財源として入ってくるので、国と地方の歳出総額(純計)は159兆円と大きく膨らんでいます。

 

  

国が制度改正しようとしている地方交付税とは?

 国が地方に代わって徴収する地方税で、国税としていったん集められた税(所得税・酒税・法人税・消費税・たばこ税)の一部を税収の不足する地方公共団体へ客観的な「物差し」によって公平に配分され、地方自治体では自らの地方税と同様の財源として使うことができるものです。使い道を国が制限したり、条件を付けたりすることはありません。(地方交付税法第3条第2項)

地方交付税には、国と地方の仕事と税源配分の差を埋める機能があります。(図−2)

 国税:地方税 3:2 に対して 国の歳出:地方の歳出 2:3

 

税源移譲の基本的な考え方

地方財政の構造改革を進める上で基本的な考え方の(案)が示されました。

6月27日に閣議決定された「経済財政運営と構造改革に関する基本方針2003」(骨太の方針第3弾)の中で、2006年度までに国庫補助負担金については概ね4兆円程度を目途に廃止、縮減し、引き続地方が主体的となって実施する必要があるものについては税源移譲するとしています。

 これにより来年度予算の大まかな原案が示され、来年度は地方への補助金を1兆3千億円以上削減し、公共事業関係費を7%以上削減することも示している。

 

池田町の税財政将来予測

【第1段階】

国から具体的な方針が示されていなかった昨年末に、長野県が予測し作成した「長野モデル」税財政シミュレーションを参考に、今後の地方財政制度の見直し等の動きも踏まえ、一定の条件のもとに3つのパターンにより推計を行いました。

3つのパターンとは

@現行制度踏襲案   現行交付税制度をベースに、既に見直しが決まっている段階補正・事業費補正を考慮したもの。

A中間案       国から地方へ税源移譲が実施された場合を想定したもの。

B最厳案       交付税総額を、借入れを行わない(現在は国の交付税特別会計で交付税の一部財源の借入れをしています)国税5税法定分と想定したもの。

シミュレーション結果

 

(図−3)

 

このまま何も対策を取ら

なかった場合の歳入不足

(赤字)予測

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

3つのパターンで推計を行った場合下記のような推計結果がでました。(図−3参照)

@現行制度踏襲案 平成16年度〜18年度歳入不足(赤字)見込。(最大で約2億円)

A中間案     平成16年度〜22年度歳入不足(赤字)見込。(最大で約4億円)

B最厳案     平成16年度以降歳入不足(赤字)が継続見込。(最大で約11億円)

 

【第2段階】

「長野モデル」税財政シミュレーションを参考に、試算した結果、このままの状態で事務事業を実施していくと、歳出が歳入を上回るいわゆる赤字状態になるという結果がでました。そのため、歳入不足を解消する対策を検討しなければなりません。

その方法として、池田町が実施可能な増収方法や将来の町のあり方に資する事業は優先的に採用しつつ、自助努力による歳出削減、事業内容の見直し等による縮減案を作成しました。

まず赤字を解消するために、次の3項目の基本的案で行うことにしました。

@歳入増収策の検討  独自に対応可能な歳入増収策を検討する。

A経常経費の見直し  事務費など、経常的経費の縮小・廃止を検討する。

B政策的経費の見直し 政策的経費の縮小・廃止を検討する。

 

見直し案

 具体的な見直し方法として歳入・歳出各科目ごとに、次のような方法で推計値を算出しました。

 

歳入の部

○国県支出金     国庫補助金・負担金は税源移譲に伴い現行の56.7%減で試算し、経常的な補助事業に対する補助金等の減額には影響は少ないと見込む。

○譲与税・交付金等  税源移譲に伴い、平成16年度以降、地方消費税交付金は現在の2倍で試算。

○地方交付税     平成16年度に8.7%減少、交付税特別会計借入金償還金を考慮する。

○町税        個人住民税は、税源移譲に伴い増額。(税源移譲額の算出は県の推計資料により試算)

○繰入金       収支の赤字が予想される平成16年度から20年度までの間、財源不足に基金積立金を充当する。(平成14年度末見込基金残高11億円)

○町債        平成16年度以降は臨時財政対策債(赤字債)を見込まないこととした。減税補てん債は、毎年1,200万円とする。事業債は、平成15年度実施計画書から必要額を推計する。

○使用料・手数料   平成16年度以降、3年ごとに見直し5%増額(H16、19、22年度)

○負担金・分担金   平成16年度以降、3年ごとに見直し2%増額(H16、19、22年度)

○その他       財産収入、諸収入は現行の状況で試算。

 

歳出の部

○人件費       特別職は平成17年度で見直し(1名減)。平成19年度に議会議員 (15名から12名へ)、農業委員(15名から10名へ)定数削減。

           一般職員の58歳勧奨退職を促進。職員定数の削減(平成15年〜24年度までの間に、定年退職で25名減、3年毎に1名の新規採用予定)。職員給は、人事院勧告も含め毎年2.5%削減。

○物件費       組織体制の見直しによる臨時職員の削減と、その他の物件費を平成16、

7、18年度に10%削減。

○公債費       各起債の償還表を積み上げ、今後借り入れる起債の金利は、現在金利で計算する。

○補助費・負担金等  一部事務組合関係への負担金は、福祉施設「虹の家」の負担金が終了する平成18年度まで現行見込で、平成19年度以降は横ばいと見込む。

           町内各種団体等への補助金は終期目標を設定する。平成16年度、17年度で5%削減、18年度以降毎年2%削減する。

○扶助費       毎年1%増額を見込む。

○繰出金       上水道会計繰出(高瀬広域水道企業団分)は、平成17年度以降減少。下水道会計繰出(公債費)分は、平成16年度に下水道基金で一部対応。国民健康保険特別会計、老人保健特別会計への繰り出しは、平成15年度の見込から推計する。広域介護保険事業への繰り出しは3年毎に見直し、平成18年度、21年度、24年度で各2,000万円増額する。

○投資的経費     実施計画に基づき事業費を試算。

○その他       維持補修費は、必要最小限にとどめ、施設維持を行う。

 

【試算結果】

 歳入不足を解消するための「見直し案」で歳入歳出を試算した結果。

平成16年度から平成20年度までの間に総額で約3億4千万円の基金積立金(平成14年度末基金残高11億円)を繰り入れることにより、歳入不足(赤字)は解消できる見込となりました。

 

 

この試案のとおり行財政を実現するためには、今後少なくとも5年間は、投資的経費をはじめ各事業を緊縮・厳選し、必要性を十分検討し順位の高いものから計画的に行うとともに、町民のみなさんへある程度のサービスの低下や負担が増えることも考えられますので、町民のみなさんの協力が必要になります。

 

以下に、「見直し案」により試算した主な項目の今後10年間の予測を図示しました。

今後池田町の普通会計予算規模は、40億円以下で実施していく必要があります。(図―4)

 

 

 (図―4)見直し案により推計の結果

注 H15年度は、起債(借入金)の繰上償還金約5億円が含まれています。

 

  

(図−5)今後の町税、交付税収入予測

平成16年度の交付税は、8.7%の減と予測し、税源移譲が実施された場合、町税と地方交付税の合計は25億円前後で推移する見込です。

 (図−6)今後の起債残高予測

元金・利息あわせて毎年約8億円の償還を行っていくため起債残高(借入金残高)は毎年減少していきます。

10年後の元金は現在の約半額の起債残額になる見込です。

(図−7)投資的経費

平成21年度までは、投資的経費は必要最小限に圧縮し実施していきます。起債償還の負担が少なくなる平成22年度以降は4億〜5億円近い経費を投資に充当できる見込です。

(図−8)義務費

扶助費は毎年約1%増えますが、人件費で、特別職、一般職員の定数を削減し、また給与費を削減します。そのため義務費全体では減少する見込です。

 

 

今後の予定

 

議会と協議の上

1 講演会の開催

2 再度の住民意識調査の実施

を行う予定です。

発行/ 池田町  編集/ 池田町役場総務課・企画財政課

0261−62−3131  FAX0261−62−9404

 

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