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池田町の指定文化財(史跡名勝・天然記念物)

[2021年12月13日]

ID:358

池田町の指定文化財(史跡名勝・天然記念物)

1 石造百体仏像

  • 員数 101基
  • 種別 史跡
  • 所有者 広津足沼区
  • 所在地 広津北足沼
  • 指定 町指定第5号 昭和45年4月1日

概要

 北足沼の石造百体仏像は、北安曇各地に見られる百体観音像(西国33所、板東33所、秩父34所)とは異なり、弘法大師の四国88霊場の代拝碑を中心としたものであり、この近辺では他に例を見ないものである。
 百体仏像が建てられたのは何時のことか不明であるが、北安曇各地の百体観音像や、西国、板東、秩父の各観音霊場へ巡拝して建てた百番供養塔が、殆んど江戸も末期になってからのものであり、この百体仏像も、おそらくこのころに建立されたものと思われる。
 百体仏像群の構成は、四国88霊場の代拝碑88基(欠損補充3基)のほか、弘法大師像、六地蔵像、四国、板東、秩父、信濃霊場碑など加えると101基になる。
 88基の代拝碑の銘によれば、寄進者は地元足沼の人のほか、栗本、山田、水堀、楡室、栃窪、大久保、荻、堀越、坂森、中山、栂ノ尾など近くの村々や、遠くは下生坂、小松尾、石原、笹尾、八代、草尾、日岐、才光寺、宇留賀、花見などの人々であり、寄進者の範囲の広さには驚かされる。
 北足沼の石造百体仏像は、いずれにしても砂岩で造られているため風化やいたみがひどい。貴重な文化財として、その保存を考えていく必要がある。

百体仏像

2 杉山巣雲先生一家の墓碑

  • 員数 3基
  • 種別 史跡
  • 所有者 池田町
  • 所在地 池田一丁目下蓮台
  • 指定 町指定第6号 昭和45年4月1日

概要

 杉山巣雲(そううん)は、天明8年(1788)に池田町に創設された庶民の子弟の教育機関「池田学問所」の初代の師匠として招かれ、以来40年余り池田の児童教育に尽力され、天保5年(1834)に71歳でその生涯を終えられた教育者である。
 巣雲とその妻子を葬った墓が町の西郊下蓮台(しもでんで)にあり、町の文化財に指定されている。
 巣雲の墓石は蛇紋岩(じゃもんがん)で、台石は花崗岩である。正面に「杉山巣雲先生墓」右側に「天保甲午(きのえうま)年(1834)八月二日寂」左側面に「門弟建之」と刻まれている。夫人の墓石は花崗岩で、正面に「善学珠哉大姉」右側面に「文化六己巳(つちのとみ)(1809)七月四日」左側面に「杉山氏」とあり、俗名も享年も記載されてはいない。童子の墓石も花崗岩で、正面に「聨秀智芳童子」右側面に「文化十一甲戌(きのえいぬ)歳(1814)六月五日」日が利息面に「杉山道兄墓」とある。夫人は巣雲46歳の時、童子は巣雲51歳の時に亡くなっている。巣雲は池田学問所の塾舎で天保5年(1834)に永眠し、その葬列には千余人もの人が参列したと伝えられている。
 巣雲墓碑の碑面周辺は、いたく毀(こぼ)たれている。これは巣雲の学徳を慕う人々が碑石をかいて粉にして飲んだりお守袋に入れたりした結果であるという。
 池田八幡社境内には、2基の巣雲の寿碑(じゅひ)が建てられている。文政12年(1828)に建てられた古い碑は、巣雲65歳に時に門弟たちにより建てられたものであるが、墓碑同様碑石が毀たれ、碑文さえはっきりしないような状態になっている。新しい碑は頼山陽に書いてもらった碑文を真筆のまま刻んで昭和44年に建てたものである。
 池田教育の基礎を築き、一生を池田の庶民教育に捧げられた巣雲と、陰で支えた妻子の墓碑は、町の大切な文化財である。

(左から)杉山巣雲の墓・童児の墓・夫人の墓


巣雲先生の寿碑(1828年建立)

巣雲先生の寿碑(1969年建立)

3 鬼の釜古墳

  • 員数 1基
  • 種別 史跡
  • 所有者 堀之内 三島神社
  • 所在地 池田堀之内
  • 指定 町指定第12号 昭和45年4月1日

概要

 鬼の釜古墳は、堀之内と中島集落を眼下に望む花岡山山麓の、西南にゆるく傾斜する松林の中に南面して開口し、高さ3m余、直径10m余の横穴式石室をもつ円墳出ある。玄室と羨道(せんどう)は積石によってはっきりと区分され、玄室部の墳丘は当時の原型をとどめているが、羨道部は下部1,2段の石積みを残し破壊されている。使用されている石は花崗岩で、側壁には高瀬川の石、天井奥壁には葦間(あしま)川または中房方面のものと思われる巨石が使用されている。側壁の石は西側の方が大きい。奥壁および天井石は、共に平らな自然石が用いられている。
 この古墳が盗掘された年代ははっきりしないが、検地帳・古文書より推して、300年以上前、江戸初期の頃と思われる。そのために時代を決定づける遺物はすべて散逸してしまい何も残っていない。しかし墳形が円墳であること、構造が横穴式石室であることなどから6世紀末から7世紀頃に造られた古墳と推定してもよさそうである。
 この古墳の特異な点は、玄室と羨道の間に境の石積みがあること、玄室床面が羨道床面より大部低くなっていること、前壁とでもいうべきものが存在すること、天井が高いことなどである。

鬼の釜古墳

古墳の内部

4 相道寺焼窯跡

  • 員数 1基
  • 種別 史跡
  • 所有者 相馬謙一
  • 所在地 会染相道寺
  • 指定 町指定第15号 昭和51年9月1日

概要

 明和4年から約100年間にわたって器物を焼き続けた相道寺の焼窯は明治初期に閉鎖されると同時に顧みられることなく、人々の脳裡(のうり)から消え去っていった。
 昭和43年7月相道寺焼の全貌を究(きわ)めてこれを後世に書き残そうと有志の協力を得て発掘が行われた。年数を経たため窯の全体は崩壊して、外部から地形を通して手がかりになるものは破片残欠(ざんけつ)以外には何もなかったが、発掘の結果や残された文章、記録等によって全貌をほぼ解明することができた。それらによると窯は山の斜面を利用して築き、全長17m、12段の登り窯(かま)であることが確認された。この規模は県下の古い窯のうちでも最大級のものである。窯で使われた陶土は東山第三紀の地層から掘り出した物を使用し、釉薬(ゆうやく)は主として灰ぐすりが用いられた。陶工の仁右衛門と与平が中心となり、多くの従業員が携わって事業が進められたが、明治期に入って交通運輸の不便さと、機械による他県の量産に抗しきれずに廃窯(はいよう)の止むなきに至った。
 その後しばらく途絶えていたが、昭和46年相道寺地区の住民によって窯が再興され、新相道寺窯と銘をうって現在盛んに陶器作りの活動がなされている。

相道寺焼古窯

相道寺焼

相道寺焼の残骸

5 しだれ桜

  • 員数 一本
  • 種別 天然記念物
  • 所有者 広津成就院
  • 所在地 広津平出
  • 指定 町指定第13号 昭和47年2月5日

概要

 成就院の横、入り口の巾上に生えている一本の木で、高さ約10m目通り幹周り2.6m、当町唯一のしだれ桜の大樹である。この桜は享保年間(1716~1736)成就院の諸伽藍(しょがらん)を記念して、時の住職が植樹したという伝承があるのみで、確かたる記録は見当たらないが、本樹を享保年間にうえたとすれば、樹齢はおよそ280数年となる。
 種類は江戸彼岸とほぼ形質が同じで、観賞用として神社や寺の境内または庭園にうえられる落葉高木で、枝が長くしだれるのが大きな特徴である。3月下旬から4月上旬、葉が出る前に直径2.4~2.5cmの淡紅白色の散形状に2~3個咲く。果実は小形で紫黒色に熟す。

しだれ桜

6 スギ(菅ノ田の姫杉)

  • 員数 1本
  • 種別 天然記念物
  • 所有者 山崎政勝(代表者)
  • 所在地 広津菅ノ田観音堂
  • 指定 町指定第22号 昭和52年10月1日

概要

 広津菅ノ田観音堂前に生えている1本の大杉を指して「姫杉」といっている。
 目通り幹周り4.5m、樹高約35m、枝貼り東西約15m、南北約15m、樹下面積約225平方メートル、樹齢推定360年である。
 スギ科は世界に約8属、15種あるが、日本には2属2種が自生している。即ち「杉」と「群杉(むれすぎ)」である。杉にはそのほか園芸種があり、この種類は20~30種位の多きにのぼっている。
 杉で代表的なものは秋田杉・屋久杉・北山杉などで、これらはいずれも常緑高木杉である。高木杉に対して常緑少高木の杉が群杉である。この辺りに生えている杉は、殆どが常緑高木の仲間に入ると考えてよい。
 菅ノ田の杉の葉は、他の杉の葉と比べ特に短く密であるのが特徴である。「姫杉」と呼ばれるようになったのも、この特徴から生まれたのではないかと思われる。

スギ

7 カラマツ(渋田見城山)

  • 員数 1本
  • 種別 天然記念物
  • 所有者 山崎八州男
  • 所在地 会染渋田見城山
  • 指定 町指定第28号 昭和52年10月1日

概要

 渋田見城跡頂上近くの西傾斜地に生えている老木で、落葉期には際立ってその全容を眺めることができる。
 目通り幹周り3.85m、樹高18m、南北21m、一見ずんぐり形である。根本の所は空洞化しているが、樹勢は衰えを見せてはいない。
 落葉松(からまつ)は日本特産の落葉針葉樹であり、幹は直立して高くなるのが普通であるが、本樹は幹が太い割に高さはそれほど伸びていない。枝は地表近くから張り出し、生えたところが影響してか一方へ片寄っている。
 樹齢は推定で400年とみているが、もう少し若いかも知れない。近くにかなり年数を経た落葉松の大木が数本あるが、不思議なことに本樹のみが遅くまで緑色を保っている。いずれにしても希少な落葉松である。

(現在、付近にオオスズメバチの巣があり非常に危険です。経路も整備されていないため、近付けない状況です。)

カラマツ

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